著名な女流書家・幽嶺が、ある日忽然と姿を消した。後援する大塔印刷では、御曹司三郎に捜索をまかせることに。だが、工場でも病死が相次ぐという異常事態が……。これは会社存亡の危機だ! 三郎は、社長秘書・南知子、社史編纂室の史上最速の窓際族・健彦と両方の事件を探りはじめる。すると、一見関係のないふたつが、この世にひとつしか存在しないある書物へとつながっていき──。すべての活字中毒者に贈る、滋味深いミステリ。