大学を休学し、家電配送のアルバイトなどをしながら、自分を見つめ直している佐多くん。とあるお屋敷のシャンデリアの付け替えにいくと、休憩中に出くわしたのは、一匹の猫とそれに仕える秘書兼運転手だという男だった。アロイシャス・ニャン氏と紹介された品のいい猫は、その屋敷で起こった変死事件の謎を解き明かす?! って、猫がニャーニャーと鳴いているところを勝手に解釈しているみたいだけど本当なの? アルバイト先で、次々と不思議な出来事とニャン氏に出くわすことになった、佐多くんの右往左往の探偵譚を愛らしく描いた連作短編集。