レオナルド・ダ・ヴィンチが料理について記した手稿が発見されたという想定のもとに書かれた本書は、興味深い内容に満ちている。なるほどと感心したり、こんなことはありえないと思ったりしながら、次第に事実とフィクションの境目がわからなくなり、というよりは、そんなことはどうでもよいと思うようになり、いつのまにか不思議な世界に引き込まれて行った。そんな魅力がこの本には確かにある。