僕が君を守ってあげる。だから手を離さないで。霧の城が呼んでいる、時が来た、生贄を捧げよ、と。イコはトクサ村に何十年かに1人生まれる角の生えたニエの子。その角を持つ者は「生贄(ニエ)の刻(とき)」が来たら、霧の城へ行き、城の一部となり永遠の命を与えられるという。親友トトによって特別な御印(みしるし)を得たイコは「必ず戻ってくる」と誓い、村を出立するが――。※この作品は、2008年6月に刊行されたノベルスを、文庫化に際して上下巻に分冊した上巻です。
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