大阪。30年代まで人口、面積、経済すべてに「帝都」を圧した「民衆の都」。ターミナル・デパート、高級住宅地…。私鉄を中心に花開く市民の文化。しかし、昭和天皇の行幸を境に「帝国の秩序」が浸透し、人びとの心は変容する。権力の装置=「国鉄」と関西私鉄との葛藤を通し、「都市の自由」の可能性とその挫折を描く。