僕のなかで何かが変化していた。ハノイで生活する日本人女性に会い、新たな衝動が生まれる。まもなくパリへ飛び、そこで生きる日本人を追い始めた。変わりゆくアジアとは対照的に、百年変わらない石の迷路パリ。そこで生きようともがく日本人たち。再度ヴェトナムに戻って僕は思う。もはや「逃げる旅」ではない。みんな「何者かになろうとしている」それもまた「旅の途中」なのだと。