2014年10月に刊行された『リスク・テイカーズ』の改訂、文庫化。本書はロングセラー『ファンドマネージャー』『マネーマスターズ列伝』と同スタイルで、第一線のカリスマ投資家の肖像を描くもの。親本はリーマンショック後、市場が大混乱に陥る中、生き残ってきた投資家たちを取り上げた。その後2年が経ち、マーケット環境はアクティブ投資家にとってより困難な時代になってきている。
文庫化にあたっては以下の点を改訂、加筆する。
・親本でもっとも反響の大きかった世界一のヘッジファンドを率いる「レイダリオ」。14年以降の運用状況を追補。
・第2章として「トランプ勝利を予言した男 ジェフリー・ガンドラック」を書き下ろす。トランプ勝利、アベノミクス、米国の金利上昇など金融市場の変化をことごとく的中させた債券市場のカリスマ。ガンドラックの目に映る新たな世界像とは、市場はどんな激変に見舞われていくのか解説。
・「ダニエル・ローブ」では、セブン-イレブン、ファナックなど最近の日本での投資事例を追加。
・「ウォーレン・バフェット」(第8章)については経営危機のウェールズ・ファーゴなど最近の失敗例を加筆。
・追加章として「人間VS機械--失われる個性」を書き下ろす。AI、ロボットアドバイザーなど機械取引やリスクを取らないただ乗りのパッシブ運用が盛んになっている。投資家の存在価値が問われる時代の実像を描く。