21歳になる美座ゆり子は美しい女だった。中流家庭の一人娘として育てられ、何不自由ない生活をしていた。彼女の周囲には一流大学出のボーイフレンドが群がり、華やかな雰囲気が漂っていた。ゆり子はもはや文字どおりの女王であった。だが彼女の心に隙間風のような寂しさが…。そして一人の男性の出現が彼女の運命を狂わせた-。「美しい不信」他、人間の心の中に潜む憎悪、愛情、嫉妬、疑惑などを描く短編集。