孤独感の文学的表現が中国でいかなる展開と深化をとげたかを『詩経』はじめ屈原・阮籍・陶淵明・杜甫・李白などの作品の解読を通じて明らかにする。と共にこれは鮮明な切り口をもつ中国詩への誘いの書でもあって、文学とは人生をしみじみと味うためのものだという著者の思いが全篇にみなぎっている。