戦後の歌舞伎批評の基準を確立した戸板康二。昭和末から平成にかけての歌舞伎座の毎月の演目、出演俳優にちなんだ興味深いエピソードが、ユーモアとウイットに富んだ短文で綴られる。現役の俳優だけでなく、九代目團十郎や六代目菊五郎、初代吉右衛門ら過去の名優の面影も蘇る。該博な知識と歌舞伎への愛情に満ちた、初心者のための格好の入門書。