神戸の個人商店からきわめて短期間に世界的な大商社に急成長した鈴木商店は、昭和2年の金融恐慌によって倒産した。総合商社の源流として、三井物産を急追し、三井物産に勝るとも劣らない巨大な役割を演じながらも挫折した、鈴木商店の興亡と、その命運を左右した大番頭・金子直吉の経営戦略と理念を解明する。