臨済宗の僧夢窓国師が、足利尊氏の弟直義の問いに答える形式で禅を説いた記録。全篇93の問答から成り、仏教の基礎的知識をはじめ、公案、坐禅など禅の諸側面から禅の極致までていねいに説き示している。一派に偏らず、一時代にとらわれず、平易な言葉で語られるこの禅談は、真に正しく禅の立場を表した古今の名篇である。