知的でモダンな絵、清らかでひたむきな生き様-。だれもが竣介の早すぎた死を惜しんでいる。中学入学と同時に聴力を失って画家の道を歩みはじめ、同郷の詩人宮沢賢治に心を通わせながら時代をみつめて多くの絵と文章を残した。明治が終わろうとする日から敗戦3年後までの36年。心血を注いだ絵と文章を克明に読み込みながら人間性に迫る。育った風土と、自由だった大正から戦争にまみれた昭和初期までの時代史を背景に据えて。