• Author東京大学教養学部
  • Publisher白水社
  • ISBN9784560095638
  • Publish Date2017年8月

科学の最前線を歩く

越境する思考のために
 流動性を増す現代。その課題に応えるはずの学問も複雑化し、なにを知るべきかを見定めることさえ難しい。いっぽう、「学問の社会還元」を合言葉にするかのように、とかく手早い成果が求められる。しかし、異質なもの、未知との遭遇は避けられないからこそ、長い目で事象をとらえる力が必要ではないか。
 本書は、東京大学教養学部がこの問題意識に向き合うべく、高校生、社会人向けに開講する公開講座「金曜特別講座」を書籍化したもの。人文知や基礎研究に重きを置く教養学部。ときに過去の惨劇から反省し、ときにフィールドワークから他者に学ぶ。ニュートリノを探究し、いっぽうで医療や産業に研究を生かし生活に寄りそう。さまざまな時代や場所、日常から宇宙までを見つめる眼差しを、この講座は社会と共有してきた。いま必要な知がなにか、そのガイドとなるシリーズ二巻。「科学の最前線を歩く」では、ノーベル物理学賞受賞の梶田隆章氏をはじめ、学内外の研究者による講義を収録。異なるアプローチで事象を読みとくうち、学問領域の有機的つながりを実感できるだろう。情報が溢れる時代に、偏らない知識を摂取し、真理を探究し続けることの意義を考える。

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