かつて海の資源は誰のものでもないと考えられていた時代があった。しかし、何の制限もなく水産資源を利用すれば、枯渇は免れ得ない。東南アジア・オセアニアの海では航海術と魚獲技術に優れた漁民たちの暮らしがあり、持続的に資源を利用するための様々な海のルールがある。本書はこうした海人たちの多様な営みを、生態学、民族学、水産資源学、漁業地理学といった視点からつぶさに見つめなおす。