「反中」の今だからこそ、世に伝えたい本! 名作「コリアン世界の旅」から15年。練達のノンフィクションライターが緻密な取材で描く、「在日華僑」「来日華僑」たちの、ひたむきで悲喜こもごもな人生模様。
「反中」「嫌中」が蔓延する日本に生きる、在日チャイニーズたちのひたむきな人間模様。
名著『コリアン世界の旅』の著者が15年ぶりに描く「在日」の新しい、希望の物語。
「ここで私の立場を明確にしておくと、現在の中国共産党が率いる中国政府の諸政策に、私はきわめて批判的である。一方、在日チャイニーズに対しては、ひとことで言うと『人によりけり』の姿勢で応じている。
中国政府のやることなすことが気に入らないから、中国人というだけで毛嫌いするのは、まっとうな判断力を持った大人の対応ではない。しかし、現在の日本では、そのような大人が目に見えて多くなっている。彼らの劣情を煽って“商売”にしているかのようなマスメディアや言論人も、大手を振るっているありさまである。(中略)
私が二百人を超える在日チャイニーズを取材した結果では、彼らの大半が日本での生活におおむね満足しており、留学生のほぼ全員が、少なくとも来日時には親日か、もしくは好日であった。(中略)こうした彼らの実態が、日本人にはあまりにも知られていないのではないか。(中略)
両者の深い断絶の谷間を、活字の飛礫(つぶて)でいくらかなりとも埋めていこうというのが、本書の最大のねらいであり、私のささやかな希望でもある」(著者 まえがきより)
【目次】
第一章 劇団四季の中国人俳優たち
第二章 日本で大学教授になる中国人
第三章 中国人芥川賞作家の誕生
第四章 留学生は“反日”か
第五章 北国の中国人妻たち
第六章 神戸中華同文学校
第七章 女たちの池袋チャイナタウン