維新のリーダーという西郷・高杉・龍馬など、勝者側ばかりが注目されてきた。しかし、敗れた会津藩にも明治維新に大きく貢献した人物がいた、山本覚馬である。「日本の独立が危うい時に、国内で相争っている場合ではない」と、薩長との融和の道を探り、維新後は京都の近代化と同志社大学の設立に奔走。激動の時代を生き抜いた覚馬の生涯から、もう一つの幕末維新史を描く。