1983年、当時二〇代であった浅田彰の『構造と力』がベストセラーになり、フランス現代思想を源流にもつポストモダン思想が日本でもてはやされた。しかし、ニューアカデミズムと呼ばれたその思想は、相対主義の烙印を押され、まもなく世間一般から忘れられてしまう。ニューアカは一時の流行にすぎなかったのか?じつは、成熟した日本社会の見取図を描ける唯一の思想として、まったく古びていないのでは?浅田彰、柄谷行人、東浩紀、福田和也…日本におけるポストモダン思想の潮流を再検討する。