仕事を休んでリハビリがてらに海外旅行や転職活動に励む「うつ病セレブ」、その穴埋めで必死に働きつづけて心の病になった「うつ病難民」。格差はうつ病にもおよんでいる。安易に診断書が出され、腫れ物に触るかのように右往左往する会社に、同僚たちはシラケぎみ。はたして本人にとっても、この風潮は望ましいことなのか?新しいタイプのうつ病が広がるなか、ほんとうに苦しんでいる患者には理解や援助の手が行き渡らず、一方でうつ病と言えばなんでも許される社会。その不自然な構造と心理を読み解く。