SFを書くためには、理系文系といったジャンルにとらわれない総合的な知と、常識にとらわれない奔放な思考力が必要である。その知の絶対量と、思考の気宇壮大さにおいて他の追随を許さない存在が「ミスターSF」小松左京。本書は小松左京が考えたこと、その知が達した地平を、一望のもとに見渡せる箴言集である。さらに氏の作品について萩尾望都氏が「くらりと酔うことができる」、瀬名秀明氏が「思いやりのSF」と語るなど、七人の寄稿者が知の交響を引き起こす。