幼いころから、刀がもつ魔訶不思議な美しさに憑かれてきた光三郎。将軍家の刀管理を司る御腰物奉行の長男に生まれながら、名刀・正宗を巡って父・勝義と大喧嘩をし、刀剣商に婿入りしてしまった。ある日、絶縁したはずの父が弱り果てて訪ねてくるが…。親子、夫婦、師弟の人情をじっくり描く新鋭時代小説。