徳川幕府転覆を企む神宮路翔の探索のため京の所司代屋敷に逗留の鷹司松平信平に、江戸の稲葉老中から書状が届いた。筑前朝倉藩の藩主・黒田長章が参勤交代の途路、病を得て京屋敷で療養中というが、その生死を確かめよというのである。京屋敷に向かうと…。三代将軍家光の正室の実弟で、今は公家から旗本となった信平は、神宮路の魔の手が朝倉藩に及んでいると察し…。実在の大名の痛快な物語、第15弾『魔眼の光』の続篇。書き下ろし長編時代小説。