封建の世、迫害を受けた女たちの救いの場とされた鎌倉の東慶寺。その住持・玉渕尼は前中納言の息女で、汚れを知らない純真な少女だった。無垢ゆえに傷つきやすい少女を護るのは、麿と名乗る雅な美剣士。かつて許嫁だった少女のため、朝廷の隠密方棟梁を担う公卿の地位を捨て、寺の用心棒となった。正義の太刀が、女たちを地獄に引き房そうとする鬼どもを一掃する。連作時代小説。縄田一男編・最新版著書リスト付き。