雨のあとの砂漠は、空気が澄んでる。砂は、まるで水面のようにきらきらしている。わたしは、この砂漠が大好き。ラクダたちが大好き。なのに、結婚したら永遠にここを離れなくちゃならない。わたしはこの砂漠の風のように、自由な心で生きていたい。わたしの心の奥には、わたしだけの秘密があるんだ-。パキスタンのインド国境近くチョリスターン砂漠で、ラクダを放牧して暮らす少女シャバヌ。慣習のくびきの中で精いっぱい自分らしく生きようとする姿を、生き生きとえがく物語。アメリカ・ニューベリー賞オナー作品。10代〜一般対象。