曽祖父母や増永一期生の人々が眼鏡枠作りに取り組む中で抱えていた思いや悩みは、今の私達と共通したものであり、とても励まされました。
--増永眼鏡株式会社 増永宗大郎
めがねで世界を変えた、兄弟の魂の物語。日本のものづくりの真髄が、ここに。
明治三十八年、福井県麻生津村。増永五左衛門は、この地に農業以外の産業を根づかせるべく苦闘していた。そんな時、大阪へ出稼ぎに出ていた弟の幸八が、
当時はほとんど普及していなかっためがねに着目、村でのめがね製造を提案する。村人たちの猛反対の中、輝く地平を求めて、二人は困難な道を歩み始めるのだった--。「トライアウト」「手のひらの音符」などで注目を集める作家・藤岡陽子の新たなる代表作の誕生!