明治28年生まれの祖母は、著者にとっていつも輝ける星だった。青山の大病院のお嬢様として生れ、九歳で齋藤茂吉と婚約。一流を好みながら贅沢を嫌い、権威をものともせず、常に前向きマイペース。関東大震災、病院の全焼、東京大空襲などの災難を、気骨をもって毅然と乗り越え、89歳で大往生を遂げるまでに海外108ヶ国を踏破。気高く烈しいその生涯を孫娘が丹念に綴った傑作評伝。