美濃大垣藩の表祐筆・魚住伝十郎の妻子が、根尾谷で猪神と呼ばれる大猪に惨殺された。伝十郎は役職を辞し、猪神にくわえ去られた娘の遺骸探索に執念を燃やし、山中に分け入る。一方、足軽横目の古藤田平八は、猪害防止のため根尾谷全村を頑強な石垣で囲う難事業に挑む。田畑の豊饒を襲う猪群。猪神退治で目的を同じくした二人の男の友情、その結末は…。
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