580万部のベストセラー『五体不満足』から12年。
小学校教員の体験をもとにした乙武さん初の小説作品!
都内の小学校を舞台に、障害を持った新任教師・赤尾慎之介が、体当たりで子どもたちと向き合う日々を描きます。3年間の教員生活を送った著者ならではの作品となりました。
【著者より】
公立小学校で三年間の教員生活を送りました。「車いすに乗った先生」に、子どもたちもはじめは違和感を覚えたことでしょう。でも、その「違和感」を、何とかプラスの形で子どもたちに還元していけないだろうか―そんなことを考えながら、日々子どもたちと向き合ってきました。
この物語の主人公・赤尾慎之介にも、手と足がありません。それでも、悩んだり、迷ったりしながら、教師として体当たりでクラスの子どもたちにぶつかっていきます。赤尾先生はいわば僕の分身。物語中に出てくるエピソードも、そのほとんどが僕の教員生活のなかで体験したことがもとになっています。
教師として、いちばん心がけてきたこと。それはストライクゾーンを広くかまえてあげること。ちょっとやそっとの暴投だって、どんどん受け止めてあげるよ―そんな気持ちでいると子どもたちは自分に自信をもって、いきいきと輝いてくれるのです。それでも不安そうな表情をしている子がいたら、こんな言葉をかけてあげるのです。
「だいじょうぶ。きっと、だいじょうぶだよ」
乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)
1976年4月6日、東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が多くの人々の共感を呼ぶ。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、2005年4月より、東京都新宿区教育委員会非常勤職員。07年4月~10年3月、杉並区立杉並第四小学校教諭として教壇に立った。おもな著書に、『W杯戦士×乙武洋匡フィールド・インタビュー」(文藝春秋)、『65』 (幻冬舎文庫、 日野原重明氏との共著)、『だから、僕は学校へ行く』(講談社)など。