むかし、うしかたがさばを牛にせおわせて、山をこえていくと、山んばにであいました。さばをぜんぶたべられ、牛までもたべられたうえ、うしかたまでもたべようとするので、にげににげて、いけのそばの木にのぼると、そのすがたが水にうつり、山んばはそれにとびつき…。この話は、青森県、広島県をはじめ、全国的に分布しています。坪田節といわれるしっとりした語りに、あやしげな絵がマッチして、読者に深い感動をあたえます。