幻の傑作ノワール、登場 ローレンス・ブロック絶賛!
哀しみ色の街で 破滅へとひた走る愛――。
「直球ど真ん中のノワールと見せかけて、 実は読者の手元で変化する曲球」――若島正
「チャールズ・ウィルフォードより優れた クライム・ノヴェルなんて誰にも書けない」 ――エルモア・レナード
「ディヴィッド・グーディスのロマンティシズム、 ホレス・マッコイの手になる疎外された除け者たちの肖像、 チャールズ・ジャクソンが「失われた週末」で描きだした 酒浸りの人生。本書はその鮮やかな融合だ」 ――ウディ・ハウト (『Pulp Culture』『Neon Noir』著者)
サンフランシスコ、夜。小柄でブロンドの 美しい女がカフェに入ってきた。コーヒー を飲んだあと、自分は文無しのうえハンド バッグをどこかでなくしたという。店で働 くハリーは、ヘレンと名乗る酔いどれの女 を連れ出し、街のホテルに泊まらせてやる。 翌日、金を返しにやって来たヘレンと再会 したハリーは、衝動的に仕事をやめヘレン と夜の街へ。そのまま同棲を始めた二人だ ったが、彼らの胸中に常につきまとってい たのは、死への抗いがたい誘いだった。巨 匠初期の傑作遂に登場!〈解説・杉江松恋〉