喜怒哀楽をストレートに表現する中国映画、ハメを外さず、何事もほどほどにまとめる台湾映画、娯楽に徹した香港映画。それぞれ個性豊かな作品を創り出しているが、そこには時代の流れを敏感に反映させ、その時々の社会問題を貧欲に取りこんでゆこうとする共通点がある。新聞社の特派員として約10年を香港で過ごし、中国・台湾・香港映画に魅せられた著者が、映画好きの論客を迎え、映画を通じてこれら3地域の、深く歴史に根差した問題に言及する対談集。