ジョイスの『ユリシーズ』と比較され、ウルフが独自の小説作法を確立した傑作。自宅で夜会を催す日の朝、51歳のダロウェイ夫人は不意に死の不安に襲われる。ロンドンの六月の一日を、多様な登場人物の三十年余に渡る過去に重ね合わせながら描き出す。