技術的合理性の担い手である技術者、テクノクラートは、なぜナチスに加担し、政治的非合理主義の道具と化して、その野蛮な犯罪の遂行に貢献することになりいたったのか-。一九世紀末葉からワイマル期をへてナチズムへと暗転する激動の時代、W.ラーテナウとW.v.メレンドルフの思想形成を緻密に跡づけ、テクノクラートとナチズムをめぐる問題にメスを入れる。ナチズムを生んだドイツ近代化の諸矛盾と、テクノクラートたちの葛藤を描破した、「ナチズムと近代」の核心を衝く書。