20世紀最大の自由主義批判者であり、ナチスに協力した知識人として「第三帝国の桂冠法学者」と呼ばれたカール・シュミット。本書では、第二次世界大戦後におけるシュミット思想の変化を初めて跡づけ、シュミット思想をより大きな政治発展と関連づける。また、シュミットと自由主義思想家の応答を詳細に分析し、ポスト権威主義社会における政治思考の自由主義化や西欧自由主義の弱点について洞察を行う。