従来の保育における「ケア」の概念は「保育者が子どもを世話する」ということのみで捉えられてきた。しかし、保育現場に身をおくと、子どもが対象世界をケアする姿に出会い、そのかかわりの豊かさに圧倒させられる。本書では、「二人称的アプローチ」から子どもの姿を丁寧に読み解き、「子どもがケアする世界」に保育者がどのようにかかわり、新たな意味を創出していくかを考察することで、保育の奥深い世界を描き出す。