悔しい、恥ずかしい、息苦しい――。
それでも日々は、続いていく。
今もっとも注目の作家・辻村深月 心震わす傑作青春小説!
【収録作品】
「しあわせのこみち」
T大学文学部二年生、清水あやめ。「感性」を武器に絵を描いてきたという自負がある。しかし、授業で男子学生・田辺が作った美しい映像作品を見て、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わい……。
「チハラトーコの物語」(「『嘘』という美学」を改題)
美人でスタイル抜群、ガチに博識でオタク。チハラトーコは、言葉に嘘を交ぜて自らを飾る「嘘のプロ」。恩師、モデル仲間、強気な脚本家との出会いが彼女にもたらすものとは?
「樹氷の街」
中学校最後の合唱コンクール。指揮を振る天木だったが、本番一ヶ月前になっても伴奏のピアノは途中で止まり、歌声もバラバラ。同級生の松永郁也が天才的なピアノの腕を持つことを知った彼は……。
【著者プロフィール】
辻村深月(つじむら・みづき)
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。
2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著作に『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『V.T.R.』(以上、講談社)、『太陽の坐る場所』(文藝春秋)、『ふちなしのかがみ』(角川書店)など。2009年に『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』が第142回直木賞候補作となる。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。