ソ連および「東欧社会主義」諸国家の崩壊、それに続く混乱と民族紛争は、東欧に世界の目を向けさせることになった。東欧はスラヴ人を中心とする地域ではあるが、ルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ人などさまざまな民族が居住し、宗教的にも複雑であり、しかも、民族が国家によって分断された地域でもある。このような様相を呈することになった東欧の歴史を振り返り、現在の東欧の諸問題を考える手がかりを探っていきたい。