構造変動の渦中にある今日の東アジアを理解するためには、国別に一色で均質に塗り分けられたような、これまでの世界地図だけでは足りない。従来「辺境」視されていた地域が、活発に自らの地域の論理を主張して、変動の推進力となっていたり、そこにはさまざまな地域的枠組が錯綜してきている。地域に内在する論理を生かしつつ、これからどのような地域秩序が構想できるか、そのヒントを、十九世紀における東アジア国際秩序の構造変動に焦点をあてて探ってみる。