この20年間の中国の変わりようや経済成長を誰が予測できただろう。貧しさと圧制に沈んでいた中国が「二十一世紀のスーパーパワー」になるという。だが、変わる中国の陰には必ず変わらない中国がある。変わるときほど「変わらない中国」をみつめなければならない。毛沢東時代が残したものを忘れてはならないし、党・国家・軍の三位一体も依然堅固のようにみえる。そのなかで「近代化」の未来はあるのかを展望するのが本書のねらいである。