現在のように社会が大きく変化するときには、短期的な変化しか予測しえない現状分析は、将来への有益な指針を与えることができない。そのために、過去から現在にいたる人間の活動や人間集団の変化を認識しようとしてきた歴史家が、時代の目となることを強く期待されているのだと思う。色鮮やかな花が咲きみだれる南国の島、キリスト教文明とイスラム文明が交差した中世シチリアから、グローバル化する世界を考えてみよう。