ぼく片桐稔は、ある日、姉の家で何者かに頭を殴られ、一ヶ月間意識不明に陥る。目覚めたぼくは、姉があの日殺されたと知らされ、そして、鼻から「匂い」を失ったかわりに、とてつもない嗅覚を宿すことになった。姉を殺したヤツは同じ手口で次々と人妻を手にかけていき、ぼくは-。斬新な発想で独自の世界を築き続けてきた著者が、満を持して放つ、新たな衝撃作。類書なき、嗅覚サスペンス。