確かに絶体絶命。だが、失うものはない。はじめよう、ここから。交易の願いを込めて就航した帆船レイナ一世号は南へ。座光寺藤之助(ざこうじとうのすけ)は井伊直弼に実権が移った江戸に舞い戻る。当主不在の咎(とが)で、お家断絶と当主切腹を迫られた座光寺家。江戸屋敷を引き払った面々を追い、藤之助も中山道、碓氷峠を目指し急追するが? 最大の危機に、藤之助は一族を救えるか!?<文庫書下ろし>