父・多聞の死、許嫁である水嶋波留の失踪-深い苦しみに耐えながら、隼之助は希望を失っていなかった。父の薫陶、波留の優しさを支えに鬼役としての責務を果たそうとする。新たな潜入先は、茶問屋"山菱屋"。この店の主が点てた茶からは、妻への深い愛と哀しみの味がした。山菱屋は幕府に楯つく薩摩藩の手の者なのか、それとも?隼之助の"鬼の舌"は、天下と愛しき者を守れるか?