1960年代の「高度成長」期になると、経済構造の近代化=重化学工業化の進行が焦点となり、いわゆる「日本的経営」が本格的に確立した。それと同時に、耐久消費財の普及を軸とした生活=消費革命が急速に進行した。1970年代に入るとともに、国民の意識・精神生活の面でも、家父長制的モラルの拘束力の解体という形での近代化が、「甘えの構造」、「モラトリアム人間」、非行、暴力への志向などを伴いながら、重大な問題となってきた。さらに最近では、日本の国際化の新段階が始まり、国際関係の激動と相まって、危機管理、総合安全保障が国民の関心を集めるようになっている。