近年発見された大伴系の系譜『古屋家家譜』は、古伝を正確に伝えた秀れた史料である。本書は、この『古屋家家譜』と従来の『伴氏系図』を合わせ考察することにより、古代史に重要な役割を担った大伴氏の古本系の一部を推定復元する。さらにその復元された本系から、日本の古代国家形成にかかわる興味ある問題点を取り出し、そのもつ意味を探る。