日本の墓制には、死体を埋葬する墓地(ウメバカ)と、石塔をたてる墓地(マイリバカ)を、まったく別々に離れて設けているような地域がある。それを民俗学では両墓制と呼ぶ。本書は、民俗資料・文献史料・石造遺物など性格の異なる資料を豊富に活用し、その問題点を総合的に検討した。日本人の深層に潜む霊魂観、他界観を探究した待望の書。