近くの書店で在庫を調べる
  • 著者大塚英志
  • 出版社徳間書店
  • ISBN9784199050138
  • 発行2000年10月

冬の教室

降りしきる雪、音の消えた世界。ぼくたちの教室から見えるのは、ただ白-どこまでも続く白色のつらなりだった。新たな氷河期によって、世界が冬に閉じこめられた時代。そこに彼女はいた。嶝崎人魚、ぼくのクラスメート。彼女は言った、「夏が見たい」と。すこしずつ過去を語りはじめた人魚、その左胸には文字のような傷が痛々しく残っていた。それはかつて彼女を誘拐した、連続少女殺人犯・大江公彦の手による刻印だった…。死が普遍となった街で、ささやきのように語られる、冷たく静かな物語。

>> 続きを表示