黄金の茶室で開かれる茶会、聚楽第の庭で金銀を下賜される何100人もの武将たち、領地を練り歩くの絢爛たる大行列。徹底して黄金太閤であることを演じ続けた天下人・豊臣秀吉の政策は、派手好みの祭好きと今日の目にはうつるが、実は衆庶の心に王者の姿を植え付けるための需到な演出に他ならなかった。版図の急速な大膨張を可能にした、この大言壮語と黄金に彩られた政策が、海を越え、破局へとなだれこんでいくまでを描く。