会いたくて、電話があればすぐに飛んでいった。ありがとうって言ってほしくて、百万円のブランデーもポンと入れた。滑稽で哀しい叶わぬ恋愛の顛末…、笑って幕を引いたはずだった。あの日、真実を知るまでは。十五歳年下のホストとの恋を綴ったエッセイに衝撃の書き下ろし後日談を加え、今とあの日、引き裂かれた時間の中で立ち竦む己の姿を偽りなく書き尽くす。これがうさぎの落とし前。