国籍を理由に、年金制度からも排除される在日一世のハルモニたち。人生の晩年を迎えて今、国を相手に訴訟に立ち上がった彼女たちが、それぞれのライフストーリーを語る。植民地支配下の朝鮮での幼年時代から戦後日本社会の60年を彼女たちはどう生きてきたのか。彼女たちによって生きられた現実、それは、この国の近現代史の紛れもない一部である。彼女たちの語りに耳を澄まし、その生の細部に目を凝らすとき、他者に対してこの国とこの社会が一貫して振るい続けてきた暴力のありようが浮かび上がる。いったいいつまで、この国は、排外の歴史を続けるのか。